レンタカー回送ドライバーの業務委託契約を締結して仕事を始める前には、各社とも契約前の講習(研修)があります。
私が受けたM社の講習は、私ともう一人の中年女性が一緒でした。講師は営業所長、かな。名刺はいただいていないので推定。真面目で堅そうなお人でした。
安全運転についてのいろいろを聞いて参考になったのは、運転中の車間距離を十分に取ること、そして信号が変わってから一呼吸おいてから発進すること、でした。たしかに実行すると危険度は下がりますね。
もらい事故も起こりにくい運転が必要、というところに、プロの厳しさが感じられました。でも聞いていて、不可能を求められると言う気がしなくもなく、それに見合う対価か否か、疑問も湧きました。
続いて業務連絡のための、ネット上の独自システムの使い方でした。使えそうな感じを受けましたが、入力ミスの訂正は別途メールで、というのはハテナでした。委託側有利かな。
次の実地テストでは、客先のレンタカーを借り出して行いました。ここでアクシデント発生。一緒に受講した中年女性が免許証を持参していなかったので、テスト不能。私だけが受けることになりました。
特に、事前のレクチャー無しにいきなり、「はい、左へ出て。4つ目の信号を右折したら、2つ目の信号を左折して。」という調子で、次々に未知の道を指示されます。
そのうち、やたらと裏道や一方通行の狭い道を指示され、一方通行や一旦停止ばかりが続きます。キッチリ停止しつつもあまり緊張もせずに運転していると、隣の講師はしきりに何か書いています。ふーん、後でイロイロと指摘されるのね。まぁ、仕方ないでしょう、と運転を続けていました。
とある狭い裏道沿いの、不整形の駐車場に駐車するよう指示されました。入ってみると満車。かと思ったら、一番奥の隅に1台分だけ空きがありました。あんな所へどうやって入れるんですかー。
そんなこと言っても通用しないことくらい、私にだって分かりますから、狭い通路内で何度か切りかえしして向きを変え、バックで入れ始めました。事前の講習で、車止めからは5cm離して停める、という話があったので、ソロリソロリとバック。
車止めの手前には、有料パーキング特有の立ち上がる板が寝ている凸があって、勢い余れば車止めに当たるので、アクセルの踏み加減にも気が行きます。幅はギリギリで横はネットフェンスが迫っています。
後部の車止めの手前5cmを確認するには窓から顔を出しても見えないので、ドアを開けて顔を出し、車止めを見ながら下がりました。
と、その時。ツー、という異音発生。ドアが何かに触ったのです。見ると、古いネットフェンスの被覆線(針金)がささくれたように1本飛び出していました。ドアの下を擦ったんですね。
幸いなことに相手が被覆線だったので自車にも傷は付きませんでした。車をレンタカー会社に戻して事務所に戻りました。さぁ、何を言われるのか。
講師から宣告されました。「せっかく来ていただきましたが×。あれは自走可能な事故にあたりますから・・・云々」という補足の言葉を遮って、「触ってしまったのは私ですから、これで帰らせていただきます。」
もちろんのこと、最終責任はすべて私にあります。これが自営業者たるゆえんです。片道2時間余もかけて来て何してんだかなぁ、という思いは反省とともにあります。
でも、本日とても良い勉強をさせていただきました。無事故(法律上)で40年以上運転してきたとはいうものの、随分と自己流が高じていたことに気付かされました。
運転技量はプロレベルではなかった、ということです。また、仮に事故するなら、契約後でなくて良かったのです。これを幸いとして、やはりもっと安全に配慮した運転をしなくては、そう思いました。
私が知らなかっただけかどうか、M社はテストで選別するんですね。テストの際の作られた究極状態で謀られた、と言うと、反省が足りないと返されそうですが・・。
さて、どうしましょうか、これから。
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